日本の健康保険制度はとても優れており、医療費の自己負担は原則3割、さらに高額療養費制度によって上限が設けられています。しかし、すべての医療費が健康保険でまかなえるわけではありません。
ここでは、健康保険がカバーできない費用と、その対策について解説します。
健康保険が効かない「自由診療」や「先進医療」
健康保険が適用されるのは、厚生労働省が認可した医療行為に限られます。以下のようなものは対象外です。
- 自由診療:未承認の治療法や薬を使う医療
- 先進医療:最新技術を用いた高度な治療(例:陽子線治療・重粒子線治療)
たとえば、がんの陽子線治療は数百万円単位の費用がかかることもありますが、これらはすべて全額自己負担になります。
入院時の食事代・日用品・差額ベッド代も対象外
病気で入院した場合、治療費そのものは保険でカバーされても、以下の費用は自己負担です。
- 入院中の食事代
- タオルや洗面具、パジャマなどの日用品
- テレビ使用料・冷蔵庫利用料
- 差額ベッド代(希望で個室・準個室を選んだ場合)
とくに差額ベッド代は病院によって異なりますが、1日あたり5,000円〜20,000円以上かかることもあり、長期入院になればかなりの出費になります。
健康診断・予防接種も保険適用外
- 健康診断
- 人間ドック
- インフルエンザ予防接種
など、予防を目的とした医療行為には健康保険は適用されません(一部、自治体補助あり)。
カバーしきれない費用に備えるには?
これらの「保険の対象外の費用」に備えるには、民間の医療保険や先進医療特約のある保険が役立ちます。
たとえば…
- 先進医療特約付きの医療保険:数百万円の治療費も保障
- 入院日額補償:食事代や日用品の費用に充てられる
- 差額ベッド代補償:個室利用を希望する人におすすめ
まとめ:健康保険の限界を知り、自分に合った備えを
日本の健康保険は充実していますが、すべてをカバーできるわけではありません。自由診療や先進医療、入院関連費用など、自己負担になるケースも多々あります。
そうした事態に備えるためにも、公的保険+民間保険の組み合わせを検討しましょう。自分や家族のライフスタイルに合った保障を選ぶことが、将来の安心につながります。