【従業員持株制度は使うべき?】メリット・注意点と活用のコツ

「従業員持株制度(持株会)」とは、毎月の給与から一定額を自動的に天引きして、自社(または親会社)の株を積み立て購入できる制度のこと。福利厚生の一環として導入している企業も多く、加入を勧められることもあるでしょう。

では、この制度は本当に使うべきなのでしょうか?
結論から言えば、「少額であれば検討の余地あり」です。ただし、いくつかの注意点もあります。


■ 従業員持株制度の主なメリット

✅ 購入補助金がもらえる

多くの企業では、株式購入額に対して5〜10%程度の奨励金(補助金)が上乗せされます。
たとえば毎月1万円積み立てた場合、実際には1万500〜1万1000円分の株式が買えることになり、実質的な利回りがすでにある投資となります。

✅ 株価上昇による資産形成も可能

業績が好調で株価が上がれば、給与とは別に資産形成が進む点も魅力です。
さらに、会社の株主になることで、仕事へのモチベーションアップにもつながるという側面もあります。


■ デメリット・リスクに注意!

⚠️「会社にすべてを賭ける」状態に

給与・賞与・保険・投資(自社株)まで、生活基盤がすべて勤務先に集中することになります。
もし会社の業績が悪化した場合、「給与カット+株価下落」というダブルパンチを受けるおそれがあります。

⚠️ 売却の手続きが面倒

一般の株式と違って、売却には申請手続きや待機期間が必要な場合が多く、すぐに現金化できないことがあります。
また、多くの持株会では株主優待の対象にならない点にも注意が必要です。


■ 結論:使うなら「少額+分散」が鉄則

従業員持株制度は、奨励金がもらえる点で確かに魅力的です。ただし、生活資産の過度な偏りは大きなリスク。
そのため、投資額はごく少額(月1万円以下など)にとどめ、iDeCoやつみたてNISAなど他の制度を優先するのが賢明です。


■ まとめ

  • 利用する場合は「少額」にとどめる
  • iDeCoやつみたてNISAで分散投資を優先する
  • 自社株に偏りすぎないようバランスを意識する
項目メリット注意点
購入補助5〜10%の奨励金がもらえる奨励金があっても損失の可能性あり
投資先勤務先の株で資産形成業績悪化時に収入と資産が同時に減る
売却給与天引きで楽に積立売却には時間と手続きが必要