毎年年末になると耳にする「年末調整」、そして年明けになると話題になる「確定申告」。
どちらも税金に関する手続きですが、役割や対象者が異なります。
この記事では、「年末調整」と「確定申告」の違いをわかりやすく整理し、どんな人がどちらをする必要があるのかを解説します。
■ 年末調整とは？
年末調整は、会社が社員の代わりに行う所得税の最終調整のことです。
● どうして必要なの？
毎月の給与から引かれている所得税は「概算」で計算されています。
そのため、実際の年収や控除額に応じて、税金の過不足が生じることがあります。
その誤差を調整するのが、年末調整です。
● 会社がやってくれること
- 生命保険料や扶養家族の情報などをもとに所得控除・税額控除を再計算
- 1年間の正確な所得税額を算出
- 多く納めていたら還付（返金）
- 少なかったら追加徴収
会社員や公務員の多くは、この年末調整によって所得税の手続きが完了するため、確定申告は不要です。
■ 確定申告とは？
確定申告とは、自分で税金を計算し、税務署に報告する手続きです。
● こんな人が必要
- フリーランス・個人事業主（自分で税金を納める必要がある）
- 会社員でも以下の場合には必要
- 年収2,000万円以上
- 副業の所得が20万円を超える
- 医療費控除を受けたい
- 寄附金控除（ふるさと納税など）を年末調整で申請しなかった
- 住宅ローン控除の初年度 など
● 手続きの時期
- 毎年2月16日〜3月15日（原則）に、前年の1月〜12月分の所得を申告します。
■ 年末調整と確定申告の違いをまとめると
| 比較項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 手続きする人 | 会社が代行 | 自分で行う |
| 対象者 | 会社員・公務員などの給与所得者 | フリーランス、自営業、一部の会社員など |
| 手続きのタイミング | 毎年11月～12月頃（会社による） | 毎年2月16日〜3月15日（前年分を申告） |
| 税額の調整内容 | 概算で引かれていた所得税の過不足を調整 | 1年分の所得をすべて集計して税額を算出 |
| 還付・納付 | 過不足があれば、返金または追加徴収 | 過不足があれば、自分で納付または還付請求 |
■ まとめ：基本は年末調整、でも必要に応じて確定申告も！
- 会社員・公務員 → 年末調整で完結。ただし特別な控除があるときは確定申告が必要な場合もあり
- フリーランス・自営業 → 毎年必ず確定申告が必要
「自分は年末調整でOKなのか？確定申告が必要なのか？」を理解しておけば、無駄な税金を払わず、正しく控除を受けることができます。
毎年のこの時期、ぜひ一度、自分の状況を振り返って確認してみてください。
